山陽新聞社ホームページ

岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。ゲージュツ家の日々って…。
これまでの掲載分
 
梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

 
 もうすぐ春が来ますネー。日本はもう春なんでしょうかネ。コッチはこの2月、3月結構暖かでしてネー。連翹の花、2月末ぐらいから咲き始めるンですけど、もうアチコチに一杯咲いていてすンごく綺麗ですヨー。街の並木にもちっちゃい新しい葉っぱさんがライトグリーンでチラチラ、毎日大きく、増えてますヨ。マ、本格的な春とか花盛りテのは4月末あたりからナンですけど、その頃には菜の花畑がとっても綺麗。

 春になりますと思い出しますネー。イエ、20年ほど前の話ナンですけど。また昔話でスイマセンネー。ココ、冬は寒いんですヨ。20年前、今よりモット寒かったような気がするンですけど。デ、冬は八百屋さんが閉まってたンですよネ。日本と比べますとかなり北国でしょう。デ、作物はジャガイモとか穀類が主体になってしまう。今じゃビニールハウスとか輸送、保存ナンかも発達してきて年中新鮮なお野菜、特に葉っぱさんナンかもイイのが手に入るンですけど、当時はダメ。果物なんかも当然ペケ。リンゴとかバナナぐらいでしょうか。オレンジもありましたかネー?

 トいうことで、売るモンが無くなってしまうンですよネ、八百屋さん。大人のこぶし大のキャベツ、それもホントに売るの? テナ感じのモノが500円ぐらいしてた記憶があるンですヨ。マ、ここは年に5週間の有給休暇ナンてモノが一応義務づけられてンで「ちょうどイイヤ休んじゃえ」テ事になるンでしょうかネ。デ、春になりますとポチポチとお店が開き始める。デ、やっと野菜が食えるト・・コリャ、大喜び!  私、日本にいた頃、生野菜のサラダてのが大好物でしてネ。特に葉っぱ系が。いろんなドレッシングでバリバリ食べるンですネー。マヨネーズ系が多かったですかネ。食事の時、毎回食べないと気が済まないぐらいだったンですヨ。

 デ、こちらに来ましてネ、レストランで注文したンですよネ。初めてのウイーンの野菜サラダにワクワク。サー出てきました。ドキドキ。ガ・・・???・・・ナンか変。デ、食べてみる・・・???・・・ン?・・コリャ、もしかして漬け物?? キュウリ、インゲン、茹でたジャガイモ、人参、お豆。そして名物千切りキャベツ。ミンナみんなしっかり漬かってる。イイ漬かり具合で・・・ナンて言ってる場合じゃナイ!!! 何処にいったんだ私のイメージした野菜サラダは!!!!・・?

 北国じゃやっぱ冬は野菜とかの食材が不足するンですよネ。デ、当然のように保存食が発達するワケ。その代表が酢漬けのキャベツ、Sauerkraut(ザオアークラウト)ナンですよネ。後、日本で言うピクルス。ここじゃSalzgurke(ザルツグルケ)。それ用のキュウリなんかもありましてネ。小さいやつが。それをお塩、お酢、香辛料の漬け汁に漬ける。他の野菜も同様に。デ、その漬け物? の盛り合わせが昔からのここ風サラダて事になるわけ。最初は少々めげましたネ。今じゃ好物ですけど。

 マ、この15年ぐらいは徐々に新鮮な野菜サラダを出すとこも増えまして、ヨカッタヨカッタなんですけど。スーパーマーケットにも八百屋さんにも一年中新鮮な野菜が並びましてネ。昔の面影全くナシですヨ。

 お写真見てください。ほら、こんなに!!!・・・ですヨ!