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梶浦氏へのメールは
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岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。
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梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

この前はグラーツて町にも行ってきたンですヨ。ここはオーストリー。例のマクラ君が展覧会をやってましてネ。私立の美術館でして、ココの10周年記念展トカでして。デ、そのお祝いをワッサワッサおやりになるトカでして。ナント偶然にもカミサンの知り合い、カミサンのピアノの先生の娘さん、日本のですけど、がその時ピアノの演奏をするとかでしてネ。みんな、カミサンと娘ですけど、でワッセワッセと出かけて行ったンですヨ。

10月26日でしたネー。この日はコッチの祭日、国家の日とでもいうンですか、でして、次の日も学校はついでにお休みだてンで、コリャ好都合ト銭儲けのお仕事も断りまして1泊旅行。

今度は南駅てとこから列車に乗りましてネ定刻出発、デ、2時間半。そういえば先日、旅行関係の銭儲けでお客を迎えに来たンですヨ、ここに。ブダ・ペストからいらっしゃる方々でして、受け取った書類には南駅、ト。????と思いながらも、マいいか、と駅に行きましたらその時間にそんな列車は御座いませんヨー、ト。ア、ヤッパシネと一応事務所に確認しまして一応慌ててタクシーで西駅に。昔は東ヨーロッパ、旧ですかね、からの列車はだいたい南かフランツ・ヨーゼフて駅だったンですけど、近頃ブダナントカからのヤツは殆ど西。マ、予感的中、単なる間違い金返せ。事前にチョイト調べれば良いだけだったンですけどネ。とりあえず何とかお客様とはお会い出来ましてご無事にホテルにご案内、ヨカッタヨカッタ、ト。

デ、その南駅からナンですけどちょうど出発が昼時なんでおにぎりナンかを作りまして。梅おかかに鮭フリカケに塩結び。卵焼きもありますヨー。イヤー、日本人の旅行風景、二昔のですけど。最近はこんなことするお方は、マいらっしゃらないでしょうネー。それをパクつきながらいつの間にかグラーツに到着でして。

イヤ、ここも久しぶりなんですよネ、私。ヤッパ以前ココで展覧会をやりましてその前後には何度も来たンですけどその後ご無沙汰10数年ぶり。展覧会トカ以外は殆どウイーンから動かないンですよ私。デ、ヤッパ駅も全く記憶がナイ。イロイロと新しくもなっていますンで手探り状態で表に這いずり出ましてネ。デ、とりあえずホテルは何処だ?ト。フト見上げると右手前方にお名前、ホテルのですけど、がドンヨリと輝いてまして、まずはチェックイン。お部屋は、マ、こんなモンでしょう。カミサンがインターネットで安くて良さそうなアパートメントホテルを見つけたンですけど満室で予約が取れませんでネ、イヤ残念。日にちもあまりありませんでしたのでシブシブ少々お高いホテルにしたンですヨ。デ、早速美術館に。マクラ君と待ち合わせをしてましてネ。チョイト遠そうナンで、歩いても行けますけど、楽してタクシーで。

ト、アリマシタアリマシタ八角形の普通じゃないお家が。デ、マクラ君とここのご主人、美術館長とも言いますけど、が待っててくれましてネ。後、お手伝いの方々が数人今夜のお祝いの準備をしてまして忙しそう、でもないカモ。デ、まずは館長にご挨拶、お会いできてとても嬉しい、ト。デ、作品の写真を見て戴きまして、私の展覧会のご用は御座いませんか、ト。コレ今回の目的の一つでして、取り敢えず作品に興味は持って戴いたようで、上手くいけば来年秋に、ト思ってンですけど、サテ?

マ、お祝いは夜、19時からですかネ、ですンでそれまで街を散策ですネ。アッチだコッチかト地図を片手に旧市街地へ徒歩15分程。中心街の広場にはイロイロお店も出てましてネ。

デ、チョットお腹も空きましたので何か食おうじゃないか、ト。時間が中途半端で空いてる飯屋は何処?状態。やっと見つけて駆け込んだとサ。如何にも昔からやってますヨ〜、トいった風情の飯屋さんでして、マ、それなりに美味しく戴きました。台所、表から覗けるンですけど、にはガチョウのローストが積み上げられてたンですけど、この時期ガチョウを食べるンですよネ、コッチ地方、帰るときには結構数が少なくなってましてネ。いつの間にそんなに、どなたが召し上がったンだろうト余計な詮索さておきまして街の名物お城のお山へ。

何でも山の上まで行けるリフトがあると。コッチ語でエレベーターの事ですけど、ワレワレ素直に日本で言うリフトを想像しましてカミサン少々ビビリ気味。行けばお山の中を刳り抜きまして近代的なヤツがデ〜ン、ト。ハイお一人〇〇セント。アッという間に頂上近く。お山の上からの風景、街並みですけど、はナカナカのモンですヨこの街。特にお家のお屋根が良いですネー。何となく庶民的で品のあるオレンジ色。自然に出来た曲線。コリャ一見の価値ありですヨ。トカ、ボーッと眺めてましたらもうすぐお祝いのお時間で慌てて今度は階段を転げ落ちながら会場に向かいましたトサ。

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 梶浦さんのメールアドレスは wien@sanyo.oni.co.jpです。梶浦さんへのお便りや、作品についてのお問い合わせをどうぞ。