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岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。ゲージュツ家の日々って…。
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梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

 
   日本に帰ってた間、実はオーストリアでも展覧会をやってたンですヨ、ある画廊で。イエ、個展とかじゃありませんでグループ展。何人かの作家と一緒にナンですけど。7月の13日に始まりましたので、丁度私が帰国した日からですネ。

 デ、日本じゃ普通開催期間が1週間とかていうのが多いンですけど、こっちは4週間てのが普通。デ、この展覧会は9月8日まで。何週間でしょうか・?・・・8週間!永いですネー。デ、先日行ってきましたヨ、今回は一人で。展覧会、まだ見てなかったモンでネ。

 先ず、ウイーンから西へ190km、リンツて町へ。鉄工業の町ですネ。音楽好きにはブルックナーの街。エ?移動は?勿論列車でですヨ。私、車どころか免許も持ってませんので、移動は専ら公共の交通機関とテクテク。特急列車で約2時間。デ、乗り換えまして南に85km程。各駅停車で1時間45分。何せ山登り、時間がかかるンですヨ。ヨーロッパアルプスに入っていくワケですからネ。ドンドン、ドンドン自然に囲まれた景色が良くなりましてネ。空気もきれい。

 デ、やっと到着。カタカナで書きますと「シュピタール・アム・ピュールン」テ町。人口2500人の町というより村。駅もかわいい建物。散歩道のような所をひたすらまっすぐ街中へ。前にはナカナカかっこいい女性、二十歳ぐらいでしょうか、一緒に列車から降りてきたンですけど、が歩いてる。写真は撮れませんでしたけど。途中結構大きい室内プールの建物なんかありましてネ。ホテルも2つ3つ4つ5つ。リゾート地ナンですネ。アルプスのお山がすぐ近くにメッチャ綺麗に聳えてましてネ。雰囲気、雰囲気。

 デ、スタコラ街の中心街ヘ。すぐ見つかりましたよ画廊は。ナンたってほんとに中心にあるンですヨ。後ろには大きな教会が。アッ、ココ初めて尋ねるンですヨ。展覧会は突然知人からお誘いがありましてネ。話を聞いてコリャ面白そうト即参加。有り難いことですよネー、こんな私に。デ、ナカナカ素敵な画廊でしたネー。先ず建物がイイ。200年ぐらいは経ってるンでしょうか、特に中の作りが昔ッポイ。きれいに改装しましてネ。展示空間もナカナカいけてる。1階と2階。デ、何たって作品の質がイイ!全て爽やか。ピュアな世界を追い求めてるンですネー。ワタシャどろどろした世界は好みじゃありませんので。情念とかの世界もご勘弁。

 デ、オッチャン、画廊主、としばしお話を。オッチャンといっても私と同い年。車の部品なんかの結構大きな会社を経営してたらしいンですけど、俺はこれがやりたい、ッて一から美術史とか画商とかの勉強を数年しましてネ。一昨年から本格的に画廊を始めたとか。デ、会社は親族に任せてるとか。穏やかな雰囲気ナンですけど、スゴイ行動力、企画力がありましてネ。次々と成果を上げている。作品に対する考え方、感性も私と共通点が多く、私の作品もとても気に入ってくれたみたいでして、納得の一時でしたヨ。今後一緒にやっていこうネ、ト、握手握手。早速いろんな計画の話ナンかして。デ、夕方の列車でウイーンに帰ってきた訳ですヨ。夜10時半ぐらいでしたかネ帰宅は。少しは時差ボケが取れたかも・・・デ、次回、展覧会の作品などご紹介しますネ。