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岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。ゲージュツ家の日々って…。
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梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

 
 デ、一息入れましたので・・・・ン?・・・・アリャ?・・・同じ長さの所がナイ!

 前回の続きですけど。右端が5.2mで左が4.9m。こっちは5.1m。デ、ナンだコリャ状態。窓の大きさもアレアレコレコレ。壁もよくよく見ますとかなりの波乗り状態。縦横斜め、自由自在にグネグネビヨビヨでコリャ凄い。当然直角ナンて何のこと? 天井も3.4mから3.6mの間なら自由にしてイイヨー、てなモンでネ。手作り感覚満載。お肌に優しいソフトタイプ。お燗は人肌にしてネ、ですネ。私、お酒は飲みませんけど。

 窓枠ナンかも、白色でしたけど、ドッカコッカ歪。窓の着いてる壁は半円アーチ。ヤッパしっかりリラックス。定規を使った形跡まるでナシ。室内全体リラックス。わかります? この雰囲気。お気楽にどんどん積み重ねてったらこうなった、テ、感じ。でも、ナンか嬉しくなっちゃいますよネ、こういうの。気持ちがゆるむッていうか、安らぐッていうか。別にわざとらしくそうしてンじゃなく、自然にそうなってる。これがいいンですよネ。

 暫く住んでますと、このアバウトさ、これがウイーンの街とよく合ってる事が分かるンですヨ。歪な部屋の歪な窓からもちろん歪なガラスを通して歪な街並みを眺める。これ、一つのここの雰囲気ナンですヨ。どっか「まろイ」テ言い方でいいンでしょうか?

 その後、何回か部屋を変わりましたけど、いつも古い様式のモノ。今もヤッパ古いモノ。新しい様式のモノもドンドン出来てましてネ。特にこの数年、あっちにボコボコこちにバコバコ。イロイロ便利な面もあるンですけど、どうも好きになれない。住もうと思わない。何せ天井が低い(2.7m)。壁が薄い。ちなみに今住んでる建物は外壁50cm。第一、このアバウトさは味わえませんからネー。かなり直角に近くなってますンで。

 せっかくこんな歴史の香り漂う街、単に古ぼけたとか進歩がないとかカビ臭いとか・・・が・・・とか・・・・・・に・・だとか・・・・・・、マ、そんな意味もあるかもしれませんけど、に好きで住んでンですから、その空気を楽しみたいナ、ト。最初にイメージしたヨーロッパの住まい。ヤッパ今でも好きですしネー。タダ、出窓のある部屋、これには未だ縁がないンですヨ。

 デ、今回の作品。夏に天満屋さんでの個展で展示させて戴いた作品の発展?形ナンですけど。モチーフというかイメージは同じようにコッチの農家。描いてるのも同様に鉛筆ナンですけど、前回のヤツは空気というか空間を表現の狙いにしましてネ。デ、生活とか生命とか時間の流れのエネルギーを感じてみたいナというわけナンですけど、今回は物質というか質量を表すことでそんな物を感じてみたい・・ト。結構イイ雰囲気が作れたかナ・・ト・・・如何ですカ・・・