山陽新聞社ホームページ

岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。
梶浦氏へのメールは
wien@sanyo.oni.co.jp
これまでの掲載分
 
梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

    旗、でしたよネ。チョット日にちが開きますとスグ忘れてしまうンですヨ。しかし、 6月にしてはナンつー暑さじゃ、ト思いながら散歩してますと霞んだ視界にイヤでも 入ってくるのがコイツでして。別に6月で無くても入ってくるンですけど。

 コレ他の町じゃ見られないンですヨ。ナンせこの町限定のモノでして。

 ウイーンてのは古い町でしてネ、しかもヨーロッパ地方でブイブイ言わせてた時代も  結構永くありましてネ。ト、華の都に憧れてトカ、一旗揚げにトカ、何となくトカ、 無理矢理にトカ色んなモノがきましてネ。デ、そこに住みついて色んな事をしたりす る訳ですヨ。デ、歴史ッてヤツの一片に一応残しておきたいトカ、残るぞートカ、残 ってしまったトカあるわけでして。デ、折角だからチョイト目立つようにして皆様に 見ていただこうカナ、ト。デ、こんだけ色んなモノがあるンだぞー、こんだけ色んな 事があったンだぞー、ト、書いてるうちに7月になってしまいまして。

 いろいろ見て歩く時に目印にも、あまりなりませんかネ。一応全部同じデザインです ンでネ。かえって何処がどこだか判らなくなってしまうかも。

 でも、この旗巡りもなかなか良いお散歩コースになりますヨ。結構目立ちますンで、 アッあそこにも、エッここにも、イッそっちにも、オッどうだい元気かいッて。ウッ ・・・・デ、下に付いてる掲示板とか付いてンですけど、よかったら読んでみてくだ さいネ。折角何か書いてくれてますンで。マ、日本語のヤツはありませんので、全部 ドイツ語ですから面倒だったら別にイイですけど。ドイツ語ッてローマ字読みに近い ですからゆっくりたどって戴けますと、モーツァルトだとかベートーベンだとかどっ かで聞いたような名前とかがでてくる場合もありまして。コリャ一体ナンジャ??? てのが圧倒的に多いでしょうけど。

 デ、もしかして金遣いの荒い奥さんのためにオペラとかを夜も寝ないで作曲してセッ セセッセと稼いだ涙涙の人情話トカ、耳が聞こえなくなり、世を儚んで温泉に潜って たら耳垢が溶けて復活、デ、良かった良かったの童話トカ、飲む打つ買うが過ぎて家 賃を払えず追い出され、劇場の屋根裏部屋にすんでた某氏の立身出世物語トカ、頭の デッカイ赤ん坊が苦難を乗り越えこの世に誕生するまでを描いた家庭の医学・突然出 て来てこんにちは編トカ、夜な夜な般若湯を地下三階の桐の間で舐める僧侶Nを探す 小僧探偵団の怪奇物語トカ、当時は高級だったバナナの、しかもその皮で足を滑らせ、 そのままM9.7星雲まで行ってしまったGの旅行記トカ、遙々母の故郷を目指して ヒマラヤを越え、タクラマカン砂漠で一息つき、シベリヤにチョイト寄り道をして華 の都ウイーンまでたどり着いた猫の一生を収めた動物大全集トカ、石鹸作りに情熱を 傾け、ついには大富豪になってしまったY女史のメルヘンなお言葉集、十大付録付き トカがあるかも知れない。作品が売れずバイトでナンとか食いつないでいる中年物語 「・・・・・ハハ・・・・」も・・かも知れない・・・・・・

 この旗にはいろいろな人生、歴史があるンですヨ。

 マ、途中書いたことは気にせずチョット目を止めてみてもイイかも、この旗。

 デ、面倒ナンでもう最後にしますけど、ヤッパ忘れちゃいけないのが石畳さんですネ、 この街。昔に比べると少なくなりましてネ。近頃出てきた自動車というヤツが走りづ らいとかハイヒールの踵を掴んで悪戯するとか言われましてネ。ナンと上からアスフ ァルトとか言うヤツを塗られましてネ、埋められちゃったりしてンですヨ。もう少し 扱いがあろうッてもんじゃありませんか。人情が薄くなってきたンでしょうかネー。 でも、マ、イロイロと直してくれたり、新しい仲間も増えたりしてますけどネ。最近 のヤツら、形や大きさも随分変わって来ましてネ。チョット頼りなくも見えるンです けど、ハイカラな形や色で、それはそれで良いンじゃないでしょうか。

 デ、

☆☆☆

 梶浦さんのメールアドレスは wien@sanyo.oni.co.jpです。梶浦さんへのお便りや、作品についてのお問い合わせをどうぞ。