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岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。ゲージュツ家の日々って…。
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梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

 
 一週間に新年会が3つもありましたヨ。ハハ・・ナニやってンでしょうネー。マ、旨いモノが食えてよかったですけどネ。勿論どれも楽しかったですヨ。

 まず、友達ン家で恒例のヤツ。おせちがいろいろ並びましてネ。家庭の味ですネー。ここの奥さん料理が上手でネ。黒豆、紅白なますにカラフル煮物。ギンナンさん鮮やかに微笑んでましたヨ。鴨のロースト和風オレンジソース。炊き込みご飯は鮭とお豆、等々。五目焼きそばまで乱入して大騒ぎ。金箔入り冷酒をチビチビやりながら、旨かったですネー。私、お酒は飲めませんけど。このお酒2年前に貰ったンですけど、この前見つけましてネ。忘れてたンですヨ。でも飲めたみたいですヨ。旨い旨いッて飲んでましたから。ホントかナー?・・マ、イイですけどネ。デ、娘の希望でカード大会。こればっか。必死で起きてンですヨ、やりたいバッカに。

デ、大使公邸の新年会。住んでる日本人全員は無理ですから適当に招待されるンですけど、日本企業の方とか多いですネ。他にもイロイロ。マ、日本の為にご苦労様ッテ感じナンでしょうネ。デ、どういう訳か私らも。今年初めて皆さん御夫婦でのご招待だったンですヨ。ナカナカ日本の社会こうはいかないみたいですけど。偉いですネー、今の大使。ちゃんと分かってらっしゃる。イエ、イエ、今までの大使も立派な方々でしたヨ、ほとんどは。女性が多いと場が和らぎますネー。話題も豊富。料理も華やか。これまた旨かったですネー。一番最初に料理を取ったのはウチのカミサンでしたけど。大使も皆さんも心なしかリラックスしてましたヨ。デ、私ら夫婦とあと数人、友人達ですけど、時間構わず居続けまして、気がつきゃ私ら以外は大使館職員だけ。デ、そそくさ退散。みんな帰るまで食えないンですヨ、彼ら。マ、気付いたときにはもう皆さん召し上がってらっしゃいましたけどネ。大変失礼いたしました・・ハハ・・・。

 デ、3発目。エルンスト・ヘフリガーさんち。往年の名テノール。もう80歳を越えてらっしゃるンじゃなかったかナ。でもまだ時々現役。去年も日本で何か歌ったと思いますヨ。喋り声はエッてぐらい小さいンですヨ。しかも息漏れ状態。耳を倍にしなきゃ聞き取りは難しい。ところが歌うと立派な声。デ、スイス弁。結局お話しはよく分かりませんでした。お弟子さんが集まっての、気持ちのいいパーティーでしたネ。カミサンが歌の伴奏ナンて仕事をやってるもんですから、時々レッスンに付き合うンですヨ。

 デ、招待されたワケなんですけど。こっちは夫婦で来るのが当たり前。でなきゃ失礼になってしまう。スゴイ住まいでしたヨー。こぢんまりと綺麗なお宅。デ、凄い美術品の山。ルオー、ご存じの方も多いかと思いますけど、の絵ですとか、ベン・ニコルソン、ご存じない方も多いかと思いますけど、私の最も興味ある画家の一人ナンですネ、画集出てますから見てください。彼の結構大きい絵ですとか、所狭しと置いてあるンですヨ。デ、中国の漆。小さな人形2体が向き合って、間に何かのっけるようになってる。3、40年前にオペラの日本公演に行ったときに買ったらしい。骨董屋で4000$とか。当時まだ1$360円。安かったと当人喜んでる。その品物、今やクッキー乗せとして立派に役目を果たしてる。ハハ・・。