倉敷で個展「ma」 造形作家 梶浦徳雄氏
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「制作は素材との対話」と話す梶浦徳雄さん |
岡山市出身でオーストリア・ウィーン在住の造形作家梶浦徳雄(54)の個展「ma」が、倉敷市中央、ギャラリーK(086―426―7171)で開かれている。24日まで。
「人、物、建物など万物と自由に対話する中で自己の存在を探っている」と相関関係をテーマに制作する梶浦。「ma」とは日本語の「間」の意味で、画廊の空間との関係を問う新作の立体と平面を中心に約40点を出品した。
階段をモチーフにした立体は、二つの世界を結ぶ「間」のシンボル。壁面から突如現れた漆黒の階段は、見る者を異次元へと誘う。平面で描かれた家の形は、生きることを形象化、下地を作った上に黒鉛を塗り込み、引っかいたり、切り取ることで下地が現れる。素材の積み重なりを見せることで、建物に宿る祖先や家族らの時間の流れに思いを導く。
梶浦は東京芸術大大学院で油絵の材質などを研究。ウィーン国立美術大の留学を機に「自然や社会が接触する欧州の芸術に引かれ」、1986年からウィーンを拠点に活動している。
併せて、岡山市柳町、ギャラリー薫(086―227―5556=午後零時半〜同6時、同8時〜午前零時)でも個展を開催中。8月12日まで。月曜休廊。
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