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岡山出身でウイーン在住の造形作家・梶浦徳雄氏による電子メール通信。ゲージュツ家の日々って…。
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梶浦徳雄氏プロフィル
1951年岡山県都窪郡妹尾町(現岡山市妹尾)に生まれる。妹尾小、岡大附中、朝日高、東京芸大、同大学院に学ぶ。1981〜82年にはウイーン国立美術大学(オーストリア)に留学。一時帰国の後、1986年、再びオーストリアに渡りウイーン市に滞在、美術作家として制作を続け現在に至る。オーストリア国内各地、ドイツ、スイス、イタリア、リヒテンシュタインなどヨーロッパ各地やカナダ、日本でも多数の個展、グループ展及びアートフェアの実施、参加により作品の発表を行っている。
 

 
 ここんトコ毎日家に閉じこもって制作制作ですヨ。ナニッて、作品作ってンですヨ。

 デ、今日は気晴らしにチョットお散歩に行ってきましたヨ。ドナウ川まで行って来たンですけど、「美しき青きドナウ」ご存じですよネ。ヨハン・シュトラウスさんの。息子さんの方ですネ。ここンとこの寒さでさすがのドナウさんも凍ってましたネ。

 ウイーンには「ALTE DONAU(旧ドナウ)」「NEUE DONAU(新ドナウ)」とそれから「DONAU KANAL(ドナウ運河)」3つのドナウがあるンですヨ。先日娘は、友人の家族と旧ドナウにスケートにいったンですヨ。ここは川テいうより池になってまして、寒いとすぐ凍って天然のスケートリンク。もちろんタダなんで、みんなセッセとやって来ましてネ。少々たくさんの人が来ても大丈夫。やたら広いンでぶつかりっこナイ。ベビーカーを押して滑ってる人もいましたヨ。赤ちゃんも楽しいでしょうネ。

 デ、娘、初めてだったンですけど、少し滑れたもんでオオイバリ。誰に似たンでしょうネ、このお調子乗り。私もカミサンも滑れませんので威張っても、マ、いいですけどネ。

 夏には天気がいいと川岸にズラッと日光浴の人。若い人からお年寄りまで、まぶしいですヨ。もちろん泳いでる人もいましてネ。ウインドサーフィンやらボートやら、イロイロ遊ぶモノもあるンですヨ。こんだけ人が来るンじゃあッて、お店も一杯出来ましてネ。こんなとこ、この町も結構しっかりしてますよネ。マ、チョットしたリゾート気分。

 ドナウ川ッていえばウイーン、ていうイメージが私ナンかはあるんですけど、川沿いの町村それぞれでシンボルのようになってンですよネ。ドイツのパッサオですとかハンガリーのブダペスト、「ブタ」じゃありませんヨ「ブダ」ですヨ、間違えると怒られる?、ですとかネ。私のイメージはヨハンさんの曲の影響でしょうかネ。

 長い川だそうで、2860kmもあるらしいですから・・コリャ長い。ヨーロッパで2番。ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒森)から黒海へ。黒の森から黒の海へナンて、何となくイイ雰囲気ですよネ。スロバキア、ブルガリアなんかも通って8カ国ですか、旅してンですよネ。1番長いのはボルガ川らしいンですけど比べたことがないモンで・・・。

 ナンですか、その昔はこの川、ウイーンに入ってくるといきなり何本にも分かれて流れてたそうなんですヨ。確かにネ、昔の地図を見ますとネ、アッチにグネグネ、コッチにピロピロ?、好き勝手に通り抜けてンですヨ。流れが速くて川底ボコボコ。しょっちゅう洪水ナンかもおこしてたみたいでネ、結構やっかいな川だったみたいナンですヨネ。船の事故ナンかも多かったみたいですヨ。 エリザベートさんもフランツ君とこにお嫁に来るとき、船で来るのをいやがったみたいナンですヨ。マ、無事到着しましたけどネ。

 デ、あんまり暴れるモンで「おとなしくしなさい」ッテ灌漑(かんがい)てのをされましてネ。とりあえずウイーンでは心を入れ替えましてネ、今や市民の憩いの場、水遊びの場として優雅な余生を送ってる。メデタシ・・・

 ところで、ドイツ語には女性名詞、男性名詞、中性名詞ッてのがあるンですヨ。デ、川は普通男性。ところが、ドナウは何故か女性。ナンかチョット面白いですよネ。